腎不全とは

投稿者: | 2017年7月31日

 

腎不全とは

腎不全とは腎機能が低下して正常に働かなくなった 状態で,急性腎不全とi慢性腎不全がある.腎機能の低 下に伴い糸球体潟過能の低下をきたし,体内で発生し た老廃物や過剰水分を体外へ排出できなくなると尿毒 症となり,人工透析が必要となる.人工透析を受けて いる患者では血栓予防のため,抗凝固薬や抗血小板薬 を服用していることがある.

 

 

腎の機能と腎不全の症状

水の排出:むくみ、高血圧、肺水腫

酸・電解質の排出:アシドーシス(体に酸がたまる)、高カリウム血症、高リン血症

老廃物の排出:尿毒症(気分不快・食欲低下・嘔吐・意識障害)

造血ホルモン産生:貧血

ビタミンD活性:低カルシウム血症、骨粗鬆症

 

 

治療における注意点とその対処法

(1)十分な医療面接を行う

腎不全の症状,治療内容,投薬内容を確認し,必要であれば,かかりつけ医に合併症や腎機能状態の診療 情報の提供を依頼する.

 

(2)透析日を確認する

透析直後は出血のリスクが高く,脱水状態による血圧低下をきたす可能性があるため,抜歯などの観血的処置は透析の翌日に行う.

また,観血的処置を行う際 は,抗凝固薬や抗血小板薬服用の影響により止血困難 となる場合があるため,十分な止血の確認,場合によっては止血用シーネを作製し対処する.

 

(3)投薬の際は薬剤の排池機序に注意する

抗菌薬,鎮痛薬の中には腎排池のものや,腎毒性を 有するものがあり,投薬の際は十分注意する.腎不全 による排池不全により体内に薬剤が蓄積する可能性が あるため,投与量の減量に関してかかりつけ医から情報を得る.

(4)必要に応じて予防投与を行う

感染に対する免疫力低下の可能性があり,抗菌薬の予防投与が望ましいが,ペニシリン系,セフェム系の 抗菌薬は腎排出のため減量や服用期間延長の必要があ る.マクロライド系抗菌薬では調整の必要はない .

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