医療と歯科医療の分岐の歴史

投稿者: | 2022年7月27日

なぜ、医療と歯科医療は別なのか?

医科だけでも、自分の専門分野以外には、「我関せず」といった感じで、分野違いの話は全く通じなかったりします。
医学部では全ての科を勉強するけれど、耳鼻科は耳と鼻、眼科は眼だけ、みたいにパーツごとに分業しすぎのように思えてしまうのは、私だけでしょうか?

全身は繋がっているわけで、特に頭部は重要な部位なのは、分かるけれどいろんな科に分かれすぎ!

 

異常が起きた時、どこが起因でどこに影響が及んでいるかは、素人では分からない。おそらく医師もわからないこともある。

だから、患者さんはいろんな病院を転々として、原因を探さなきゃいけない。

これって、病気の人にさせることでしょうか?

だから、いくつかの病気を持っている人は、最終的に総合病院とか大学病院に行き着くんだろうな、、

 

なぜ、こんなに分野が分かれているのか、歴史から整理してみます。

 

医療とは?

一般的には、人の身体に起こった病気やけがなど、心 身の異常に対し医術で改善あるいは治癒を図ること。

医療の実践にあたっては、そのエビデンスとしての研 究・教育が不可欠であり、これが即ち医学である。

人体に直接触れて医行為(医療)、あるいは歯科医行 為(歯科医療)を行えるのは、医師法、歯科医師法第17 条によって医師、歯科医師に限られている。

 

 

 

日本の医療の起源は、718年に制定された養老律 令の中の医疾令に遡るそう。
当時の医療は、遣唐使によって 導入された中国の漢方を中心にした東洋医学に基づいて行われていました。

診療科目は、体療(内科)、創腫(外科)、少小(小児科)、 耳目口歯(耳科、眼科、口腔科、歯科など頭頚部を総合 した科目)の4科目で、医科、歯科の区別なくそれぞれ専門の医師による医療が行われていたそうです。

ちなみに医師とい う名称は、この時始めて導入されたもので、当時は官職として使われていました。

奈良時代に始まった漢方による東洋医療は江戸時 代まで行われ、江戸幕府の鎖国政策がこれを堅持していたが、江戸中期より長崎・出島を通じてオランダ医学(蘭医)が導入され、主に外科的治療が行われました。

1874年(明治7年)、明治維新政府による医制の制定。

西洋医学(オランダ医学・蘭医)を採用し、従来の 漢方医学を廃止。

1875年(明治8年)、第1回医術開業試験実施。

標榜科目 は内科、内外科、外科、産科、口中科、眼科。

(小幡英之助:開業試験合格後、医籍登録をした にも拘わらず歯科を申請、認可)医籍の制定。

1883年(明治16年)、歯科医術開業試験実施。歯科医籍の制定。

1906年(明治39年)、医師法、歯科医師法制定。

これ以降、 医科と歯科に分離して医療と歯科医療が別個の免許で行われるようになりました。

医学・医療と歯科医学・医療

奈良時代に起源を発する我が国の医療は、明治時代 まで医科、歯科の区別なく行われていた。医療の中心は 漢方医学に基づく東洋医療であったが、江戸中期よりオ ランダ医学に基づいた外科中心の西洋医療が導入され た。この時代には正規の医学教育は無く、徒弟制度の中 でトレーニングが行われ、その後、医師としての経験を積 んでいった。

一方、新しい歯科の技術が江戸末期に導入され、小幡 英之助がこれに刺激を受けて医籍を持ちながら歯科を 開業し、歯科の開業試験や歯科医籍を別に制定するきっかけを作った。

その発端は、代謝性が低く自ら修復(治癒)する 能力を持たない歯という硬組織を対象にする歯 科医療を行うためには、歯科独特の特殊な医療 技術が発達し、治療器具や材料が開発された。

また、歯科医療を的確に行うには、歯科特有の 知識と技術とを習得しなければならず、医学とは 異なった教育が必要なことから歯学部の設置へ とつながった。

1906年、医師法、歯科医師法の制定によって医科と 歯科が分離して医療も別に行われるようになり、教育制 度も新たに設けられることになった。

医学教育は、当時の国策としての必要性から、主に官 立の大学でドイツから導入した理論重視型の教育が行われ、歯科医学教育は、逆に、当時の国策としてはあまり重要視されなかったため、私立の専門学校でアメリカ から導入された技術重視型の教育が行われた。

戦後、1947年に画期的な学制改革が行われ、医学・ 歯科医学ともに6年制の新しい教育制度がスタートし、 今日に至っている。

 

718年(養老元年)に制定された養老律令の中の医 疾令に始まる我が国の医療は、1906年(明治39年) に医師・歯科医師法が制定されるまで医療と歯科医療 の区別は全くなく、いずれも同じ医師の資格で行われ ていた。

しかし、1906年以降は医療とは別に、歯を含めた口 腔領域を対象に歯科医療が行われるようになり、しか も歯を重視して高度専門分化しながら進歩発展を遂げてきたため、全身とは切り離された形の医療になってき た。

 

ところが、急速な社会・生活環境の変化や超高齢社 会の到来によって、全身疾患を持った患者さんの歯科 治療の機会が増加したため、これまで以上に全身の仕組みや全身疾患についての知識が必要になるとともに、 歯だけではなく口腔全体を視野に医療を行う必要性が生じてきた。

そのため、歯を含めた口腔領域全体を、眼科や耳鼻科と同様に身体の一部として全身と関連付けながら教 育、研究、診療の対象にする口腔医学の理念の下、従来の歯だけの歯科医療から口腔医療に変革し、将来的には医歯一元化を目指すべきである。

医歯一元論と口腔医学より引用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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