行動調整とは?

投稿者: | 2017年3月1日

行動調整とは?

小さいお子さんや知的障害のある患者さんは、
不安や恐怖のため、診療室で泣き叫んだり、暴れたりなど、
拒否的な行動をとるため、歯科治療を行えないことがあります。

一般の成人にも歯科恐怖症はみられます。

このような方に対して、
行動変容法
体動のコントロール法
精神鎮静法
全身麻酔法

のような、方法を用いて治療が行われ、一括して行動調整と呼びます。

行動調整をしていくことで、歯医者さんが苦手な方でも、
治療をスムーズに受けられるようになりなります(^∀^)

行動変法

1.レスポンデント技法

1)刺激統制法

患者さんにとって、不安や恐怖を誘発しないよう工夫する。
不適応行動が生じにくく、適応行動が生じやすい環境を設定する。
診療室内外の設定、機械・器具の選択や配列、スタッフの服装
言葉づかいや対応態度など、、

2)脱感作法

 

系統的脱感作法は、恐怖神経症の患者さんが自分自身で少しずつ、怖い物や場面を思い浮かべること(想起)と、
その後で、心身の緊張を解くこと(リラクゼーション)を繰り返しおこなって、
恐怖や過敏反応から自分自身を解放していく精神療法の1つ。

 

3)フラデッィング法

根気強く脱感作法を繰り返しても、なかなか過敏・恐怖反応が無くならず、
適応行動の学習が進まないとき、
半ば強引に患者さんが恐怖と感じている刺激の中に引き入れて体験させることによって
未経験の想像上の恐怖から解放する方法。

2.オペラント技法

1)オペラント強化法

①正の強化:好ましい行動に対して正の強化子(好子)を与えて強化する方法。
②負の強化:好ましくない行動に対して負の強化因子を与える方法。

2)オペラント消去技法

好ましくない行動は、不適切な学習を重ねてきた結果として「条件づけられたもの」と考え、それを減らしていくことをオペラント消去技法という。

①消去法

不適応行動が現れたとき、正の強化因子を取り上げられたり、留保しながらその行動を減少させていく方法である。

②タイムアウト法

小休止の応用。興奮している患者には、いくら言葉をかけても収まらないことがある。その場合、何も刺激のない小部屋に短時間(15分以内)収容して、興奮や不適応行動が収まるのを待つ方法。

③嫌悪療法

不適応行動をなくすために負の強化因子を用いる方法。
しかし、信頼関係を損ねたり、かえって不適応行動が強くなる可能性があるなどの欠点がある。

 

3)モデリング法 (模倣療法)

他人の行動を観察させたり、模倣させることで、適応行動がとれるようにする行動療法。

①直接的模倣
ユニットの上で実際に歯科治療を行なっている患者を見せたり、歯科治療を実演してみせ、理解させ、どのように行動するのが良いかを教える方法である。
②間接的模倣
歯科治療を行なっている絵本・絵カード、写真や絵カード、写真やビデオをみせて、歯科治療について理解させ、どのように行動するのが良いか教える方法である。

 

4)遊戯療法

ロールプレイやプレイセラピーとして患者さん におもちゃや器具を用いて、歯科治療を模擬体験させたり、診療スタッフがプレイを通して歯科診療の意義や手順を理解させたり、ラポール形成しながら適応行動を育てるように行う。

 

5)TEACCTプログラム

歯科治療の意義や手順がはっきりと理解できていないために適応行動をとることができない患者さんに対して、記号や絵カードなどの具体的なツールを用いて歯科治療をの意味や手順とるべき対応をわかりやすく示すことで、決めたことなどをその通りに行ってもらう方法。
特に言葉による理解に障害のある自閉症障害の患者に対して行う。

 

 

 体動のコントロール法

脳性麻痺にみられる不随意運動や原始反射
知的障害のある患者などで治療を嫌がっている意識的に動く場合など、
体動そ単に力で抑えつけるのではなく、体動を発生させるエネルギーが蓄積しないよう調整することが大切である。

①生理学的コントロール

患者さんの身体を「楽」な状態にして不要な体動をなくし、歯科治療を行うことである。
人間の行動は身体的な条件にも大きく影響しているため、生理的に状態が良くないと体動も生じやすい。
呼吸や血圧の異常、発熱と悪寒、疲労や睡眠不足、空腹、尿意や便意、てんかんなどがチェックする点としてあげられる。

②神経学的コントロール
姿勢や運動に障害のある肢体不自由者や高齢者にとって、ユニットで仰位は不安定で、かえって緊張が強くなったり、苦痛などがある。患者さんの障害や年齢希望に合わせてブラッシングや治療が行えるよう体位を工夫する必要がある。

③物理的コントロール
バスタオルや抑制帯、レストレーナーなどで患者さんの身体を巻いて、四肢や体幹の動きを減らす方法。知的障害者にもこの方法は応用できる。
レストレーナーや抑制具を用いるため、事前にスタッフ間及び患者・保護者とよく話し合って用いなければならない。多人数で障害者を抑え込むような場合もある。

ボイスコントロール・ボディランゲージ
褒め上手、叱り上手が上手く演じられるよう、音声を巧みに使い分けることが必要。
声の大きさ、速さ、抑揚、優しい声や叱り口調などを使い分け、術者の感情が患者さんに確実に伝わるようにするテクニック。
顔の表情や手、身体を使ってコミュニケーションをはかることも大切。

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